ウオツカ 待ち人・・・

ある秋の深まった夜更け
カウンターには精悍なマスクの男性
そして3杯目の冷凍されたストリチナヤ、ウオツカをストレートで頼まれた。
朝晩は大分肌寒い等など、当たり障りのない会話が途切れ途切れに
そして「いま何時くらいですか?」
この問いかけも三度目。
「12時15分過ぎです」
誰かと待ち合わせか、あるいは連絡を待っているのか・・・
私の記憶が確かならば(ずいぶん昔聞いたようなセリフだ)
映画007シリーズの『トゥモロー・ネバー・ダイ』でピアーズ・プロスナン扮するジェームズ・ボンドが
今は敵の夫人になってしまった昔の恋人を待つ間
ホテルの部屋でウオツカを何杯もストレートで飲んでいたシーンがあったような気がした。(確かスミノフ?)
イメージ的に、カウンターでいつもながらシェークしたウオツカ・マティーニをカッコ良く飲んでいる姿とは
少し違ったボンドの印象だった。
よく味わうと、仄かに甘さを舌に感じるウオツカ
劇中ボンドは酔いたいんだか、飲みたいんだか、ずいぶん乱暴に飲んでいた気がする。
さて、待ち人は来るんでしょうか?勝手な想像(妄想?)でスミマセン。
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ロックが好きなの オーバン14年

ご無沙汰してます。
さて、台風一過、日中は暑かったけれど夜になると空気は秋の匂いがします。
そうそう、9月のある夜に、まだ夏の空気が残る少々暑い夜に秋の装いのおしゃれな女性がいらっしゃいました。
それまでお客様がどなたもいなかったので、私は懐かしいロックを聴いていました。
私はその女性がカウンターに着くやすぐに音をジャズに変えました。
女性はバックバーを少しの間じっと見つめ
「やっぱり、私ロックがいいな」と言われたので、
「それではさっきの音でいいですかね?」とそそくさと音を変えようとしました。
「あー、そっちじゃなくてウイスキー、オーバン、ロックで」
「はい、ロックで・・」なあんか間がわるいなあ
「モルトはそのまま飲む方がいいっていうけど、これロックで飲んだらおいしかった」
「そうですね、好みの飲み方でいいと思います」
そして
「オーバンのロックです」とお出ししました。
「いまオバンって言った?」
「いやいやオーバンと・・」
「冗談よ」
「・・・」笑ってやりすごしましたとさ
ドライで華やかな香りのモルト、オーバン14年 おいしいウイスキーです。
今日も一本取られてしまいました。