ただ強いだけでなく、やさしいだけでなく Booker's Burbon

お久しぶりです。2,3日前はすごい戻り方の「寒」でしたが、
春はきっとすぐそこです。
皆様お元気でお過ごしでしょうか?
男の人も女の人にとってはやさしいだけでは物足りなく、強いだけではお呼び出ない、
どこかの探偵小説で主人公がはいたセリフみたいになってしまいましたが。
ブッカーズは、ジムビーム社の少量生産されているバーボンの一つです。
カスクストレングスでアルコール度数が高く63・5度前後もあります。
しかし重くハードさを感じさせる訳ではなくスムースで深いコクと味わいがあるバーボンだと思います。
ブッカーズは、ジムビームの先の名誉蒸留家のブッカー・ノーが個人的にセレクトした樽を
ボトリングしたものです。(今は息子さん、フレッド氏の代ですが。)
彼特選で樽直のバーボンは極々親しい友人や家族に贈られていましたが、
結局世間一般に供給されることになりました。
ブッカーズの樽はビーム社によると温度、湿度とも上出来なバーボンに最適な貯蔵庫の真ん中あたりで熟成された
もの一つ一つがノー氏自ら選び抜かれたものであったそうです。
また、ブッカーズは6年から8年程度の間に熟成して、無濾過で瓶詰めされます。
バーボンに水が不必要ということではなく、ソーダや2倍の蒸留水はいくぶん香りと味わいを開かせるので
お薦めだとブッカー・ノー氏も言っていました。
スポンサーサイト
76年前のジョイント・ベンチャー? モスコ・ミュール

花粉症の季節です、しばらくの間、花粉症の方には鬱陶しい日々が続きますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
春まであと一歩というところでしょうか、春夏に向けてきりっとした飲み物です。
前にも別ネタでご紹介しましたが、モスコミュールのお話です。
1941年ニューヨークのチャタムホテルのバーでジャック・モーガン氏、ジョン・マーティン氏、
そして、ルドルフ・クネット氏の3人の友人は会ってました。
ジャック・モーガン氏はコックンブル・プロダクツの社長でハリウッドのコックンブルレストランのオーナー。
ジョン・マーティン氏はG.F.ヒューブラインブラザーズ社の社長、そしてルドルフ・クネット氏は
ピエール・スミノフ・ヒューブラインズ・ウオツカ部の社長でした。
マーティン氏とクネット氏はウオツカに、そして2オンスのウオツカとモーガン氏のジンジャービアと
レモンジュースを一緒にしたら一体どうなるのか気にかけていました。
さて、氷は取り寄せられ、レモンを調達し、マグにそれら混合したものが入れられました。
マグは掲げられ、3人の男は5つカウントダウンして一口味わいました。
これはいい。野心も高揚され、4,5日後、そのカクテルはモスコミュールと命名されたそうです。
このお話は長い間よく知られていたものですが、
2007年、モスコミュールの発明について記した最新版が出版されました。
それは材料を混ぜあわせて、味のバランスをまとめるバーテンダーのスキルが必要ということからも
信憑性があるようです。この説は、カクテルの開発者は、モーガン氏のチーフバーテンダー
ウエス・プライス氏で彼のバーセラーに詰め込まれた売れ残りのスミノフ・ウオツカとジンジャービアを
片付けるために生み出された飲み物だったと説かれています。
「私は地下の掃除をしたかった」プライスはモスコミュールを考え出した事に言及し
「デッドストックをなくそうとして…」最初の一杯目は俳優のブロードリック・クロフォードに供されたそうで
「野火をつかまえたようだった」とプライスは自慢したそうです。
モスコミュールはだいたいいつも銅マグで供されます。
その人気のドリンクの容器はマーティン氏に因るもので、彼は国中をスミノフ・ウオツカを売るために
歩き回り、モスコミュールを普及させようとしていました。
マーティン氏はバーテンダーに特別な銅マグとスミノフ・ウオツカのボトルで恰好をつけ、
それをポラロイドで撮影しました。彼は2枚ほど撮影して、一枚をディスプレイ用にバーテンダーに置いていき、
他の一枚は、マーティン氏が次に訪れるバーに、モスコミュールがいかに人気を博しているかという証拠として
使うためにコレクションに加えられました。こうして、銅マグは今日まで使い続けられ、
モスコミュールを供するための人気の容器になりました。
ふむふむ、ジョイント・ベンチャーというより在庫整理を考えた策だったわけのようです。
必要は発明の母と言ったところでしょうか。
これから気温が上がってくるとピリッと辛口で爽やかな味わいがいっそうおいしいカクテルです。
是非、お試し下さい。
参考: George Sinclair quotes from a 2007 article run in the New York Herald Tribune:
The Wall Street Journal